冷却塔(クーリングタワー)は、ビル空調や地域冷暖房設備である冷凍機の冷却水を冷却するために用いられています。冷凍機の冷却水は使用されると温度が上昇します。温度が上昇した冷却水は、冷却塔内で送風機により強制的に送り込んだ外気と接触し、温度が下がり再度冷凍機に送られます。冷却塔は、このように冷却水を効率よく循環利用するためなくてはならない装置です。

■冷却塔の原理
開放式冷却塔では、冷却水と外気を直接接触させて一部の冷却水が蒸発することで残りの冷却水を冷やしています。常温では水の蒸発の潜熱は約2,500kJ/kgで、比熱は4.2kJ/(kg・K)だから、1%の水の蒸発によって残りの水の温度は、約6℃下がることになります。

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冷却塔の形状は、丸形と角形の2タイプがあり、構造・冷却方法として開放式と密閉式の2種類があります。

●開放式とは…
冷却水を冷やすための外気(空気)と冷却水とが直接接触し、冷却水の一部の蒸発によって残りの冷却水を冷やすもので、空調用として広く使われています。
冷却水を効率的に冷却するため、水を滴状にして表面積の大きな充填材に流すことで、冷却水と外気の接触時間を長くしています。
また、冷却水と外気の接触方法として、上から落下する冷却水に対して、外気を下から上へ当てる〈向流型〉(カウンターフロー方式)と、外気を直角に当てる〈直交流型〉(クロスフロー方式)があります。

●密閉式とは…
冷却水を熱交換器の管内に通し、管外側に冷却用の外気と散布水を散水して冷却しています。
密閉式の特徴は冷却水の汚れを嫌うような設備に採用されていることです。

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太古の人々は雨上がりに涼しくなったり、川の近くがすごしやすいことを知っていました。古代の四大文明が大河近くに発祥したのも、水がなければ生きていけないからだけではなく、水の様々な性質を知恵として利用しようと考えたのかもしれません。
古代エジプトの遺跡にはこんなような絵が残されていました。素焼きの瓶からしみ出た水が蒸発する水の気化熱を利用した冷却器です。瓶の中の水は冷たくなり、周囲の空気は気化熱により冷やされます。瓶の後で扇いでいる召使いは暑いでしょうが、ファラオは冷たい水が飲めるし、涼しくていい気持ちだったでしょう。
この冷却原理は、現在の冷却塔と同じです。


■日本の空調技術・抜粋史
1870(明治 3年)  吸収冷凍機で初めて人工氷を製造
1877(明治10年) 工部大学校本館に日本初の蒸気暖房実施
1884(明治17年) 東京大学文科教室に温水暖房実施
1907(明治40年) 富士紡績保土ヶ谷工場で日本初の空調実施
1923(大正12年) 日本興業銀行本店で日本初のビル冷房実施
1935(昭和10年) 新大阪ホテルで日本初の全館空調
1970(昭和45年) 大阪万博会場に日本初の地域冷房実施
1973(昭和48年) 世界的な石油危機、省エネ対策に着手
1979(昭和54年) 省エネ法制定・公布される







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